誰にでも手に入る夢の住まい(第412回 震度7でも大丈夫か?)

久々の投稿です。

あちらでも書きましたが、五十嵐工務店も真摯の会の面々もとても元気です(笑)

HP関係の更新は滞っていましたが、TOTOリモデルクラブの方は“施工事例”をUPしてますので宜しかったら…いや、是非ご覧ください。

さて、今回の表題の件。

未だにというか、相変わらず皆さんからご質問受けます。

東北の震災直後、よく聞かれたことではあります。また横浜市の耐震診断士をさせて頂いてる事もあって、診断先では殆どの方に聞かれたものです。

最近は少し薄れてきたのか横浜市の診断業務は大人しめですが、その代わり以前に、例えば数年前に診断を受けたが、ようやく準備が整ったとの事で、工務店の仕事として見積依頼を受けるケースも多くなっています。尤も、弊社は『高耐震高耐久』で名を売ってきた会社ですので、得意分野である分、ニーズがあるのでしょうね。。。

新築の場合は耐震等級という表示がありますので、一般の方にもイメージとしては浸透していると言えるかもしれませんが、こと中古住宅の場合は、補強工事をしたらどの程度安心なのか?は多くの関心があると思います。

横浜市で言う“上部構造評点”がいくつになったら安心なの?と…。

ここで言う安心とは“備え”としてのものよりも、大きな地震の際に“壊れないか?”というのが本音でしょう。

そこで今回は少し、震度階の話を含めて少し掘り下げてみようと思います。同業他社には厳しめで(笑)

 

ネットでも検索すれば出てきますが、まずは震度階の話。実はこれが前提として話した方が知識の振り分けができると思うのですが、残念な事にどっかの営業マンさん、現場管理風の方はこれさえ理解していない人が多いことに驚かされています。。。この程度の事も勉強しないんだな。(笑)

震度階(級)は【10段階】。これを浅読みしている人が実に多い。。。

教科書通りに書くと、、、震度0(ゼロ)、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階。

えっ?ゼロ??7???って人が結構多い。一般の方は仕方ないにしても、家を売る連中が…むにゅむにゅ。。。

震度ゼロっていうのは「人が感じないほどの揺れ(無感)」です。震度1以上から有感です。

ずっと昔から使っていたのは、微震、弱震、強震、烈震でしたが、0~6までの数字をセットにして、阪神震災後だったかな、7激震となりました。

昔は気象庁の担当の感覚でしたが、今はちゃんと機械で計測しています。で、現在の10段階になったと。

因みにマグニチュードは地震のエネルギーで、分りやすく言うと“規模”という事になります。

これが基本。。。(笑)

残念な事というのは、震度階は7までしか“表示上ない”という事。壁耐力が5倍までしかなかったのと同じ。(現在重要なのは壁強さ倍率)

誤解を恐れずに言えば、あくまで表示上なかっただけで、実際は存在するという事です。

ここで最初の話になります。

みなさんが、『貴社で新築したら』もしくは『(補強したら)震度7が来ても大丈夫?』って質問。

不勉強で、、、もとい未熟な営業や担当が、ズバッと一言「ウチは大丈夫です!!」とか「私に任せて下さい!!」って胸を叩いたら?それはアウト!!!

 

震度階級は7までしかないからです。

 

例えていうなら、事実として7以上揺れても震度7ですから、震度7が来ても大丈夫は余りに無責任な話だと思います。

壁倍率は5倍まで、壁強さ倍率は9.8KNまでというのは、それ以上の数値は存在するが、制度上見込まない(見込むべきではない?)という事なので、この話とは実は違う訳です。

だからもう、なんていうか、コマーシャルで言っちゃってるのはもう、、、個人的には呆れるばかり。。。

今の所?震度7なんて山奥(地山で地盤がしっかりしている所)にしか?来ていないから問題にならない訳で、だからと言ってよい訳もありません。。。

 

もう一つ重要なのは、何をもって【壊れる】のか?

ニュースなどで、一見外観には問題のなさそうな家が「半壊」だったり「全壊」だったり。

応急危険度判定士や行政側が“判定”するのですが、実はこれも“一緒”ではありません。

大体の人は、過激な言葉ですが“ぺしゃんこ”にならないか?を心配されていると思います。震度7で大丈夫か?というのもそこから来ている人が多いようです。

表現として適切ではないかもしれませんが、建築基準法には『家が壊れてはいけない』とは書かれていません。(解釈の違いはあるかもしれませんが)

法で定められた以上の数値(性能)を担保した建物を造った上で、人命を守ろうというのが趣旨と考えます。(敢えて、考えますと申し上げます)

色々言うと混同してしまうかもしれませんが、単純に言えば“壊れ方がある”という事で、当然法を守っていたとしても“ぺしゃんこ”はダメな訳です。

この件については、想定内だろうが想定外だろうが関係ありません。

法律は~以上と言っているのですから、どのくらい安全率を見込んで言わば“余剰”を見るか。そしてその余剰がどの程度予算として見込まれているか?です。

参考の為、何某かの基準を設けたい為に【相見積もり】を取ると思います。それは当然です。皆さんの権利でもありますから。

耐震改修についても、どのくらい『上部構造評点』の余剰を見込んでいて、その為の予算配分はどうなっているかも頭の片隅に置いておいてください。

 

因みにカッコつけて言えば、私は長期優良だの耐震等級3だのいってますが、そもそも基準法ギリギリの家を造った事はありません。

(※自宅は案外ギリギリです(笑) それこそ大地震が来て、自宅だけピンとしていたらみっともないです。 地元なのに…(笑))

物凄く強い家を造って、その分予算が掛かったら何の意味もありません。

我々の恩師(どこの先生も)は、そんな事は教えていないからです。(増強分、増額だと技術者としてダメ)

私が心掛けているのは、予算内でどのくらいその“余剰”がとれるかです。

まぁ考え方は人それぞれですので、裏付けのある事をしていればまずは問題ありませんが。。。

 

家が壊れてしまう事は大変残念ですが、見た目大丈夫だけど壊れた判定を受けた家屋は、ある意味正しかったと言えます。

勿論、震度6くらいで家が壊れてしまう事は本意ではありません。

私なら、基本震度6までは壊れないように造ってます、7(以上)が来たら余剰分でどれだけ耐えられるか?ですと。

言ってしまえば、私の造った家が壊れたら、周りの家も壊れています。(これはあまり意味のない会話かもしれませんが)

まぁ、その前に自分の家は大変かな。。。(笑)

 

まとめると、、、

震度7でも大丈夫とか、実験しても無傷ですとかいうのは言ってしまえばウソで、知らないにしても売り文句にしてもいけないという事。(震度6強超えの7止まりであれば普通に大丈夫な家はあります。)

自社の自信に盲信なだけで、それで被害に遭ったら目もあてられません。

壊れるにも違いがあるという事。

この2点は会話としてでも構わないので、打ち合わせの俎上に上げる事です。

 

何かご質問等ありましたらメールでも下さいね。

ではまた。

 

 

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