2022/06/10
こんにちは。随分のご無沙汰です。
有難いことに毎日忙しくさせて頂いて感謝感謝です。
ですが、春からのこの天候不順???には困ったもので、その影響はかなりのものです。
春先(3月末からGW前頃まで)のぐずついた天気には困ってしまって、やっとGW半ばから晴れ間が続いたのに…。
なんで九州飛ばして関東梅雨入り。。。
お天道様と喧嘩する訳もいかず、外廻りの工事にちょっと頭を悩ませています。
今週初め、ショッキングなニュースが飛び込んできました。
生コンプラント工場の不正(使いまわし?継ぎ足し??)です。
ウナギのタレじゃあるまいし、本当にバカな事をやったものですが、その会社が川崎市にあるとの事で、周りが少しザワついてます。
こういった事件があると近く遠くに限らず一応確認するのですが、弊社において今回に限っては焦りみたいなものは全くありませんでした。
何故かと言うと、コンクリートの品質・強度が必要な場合、弊社ではコンクリート打設時に試料採取、所謂サンプリング(供試体)を取って確認するからです。
これは建物の主要構造部など、重要な部位にはその数字が重要だからです。
以前にもお話しましたが、生コンというのはフレッシュコンクリートの事。そう“フレッシュ”です。
コンクリートとは、セメントと水、砂、砂利を混ぜる訳ですが、セメントは水と混ぜると化学変化を起こして発熱します。
単純に言うと、その発熱状態が続いている間に強度が上がっていくのですが、当然ずっと温かい訳じゃありません。(笑)
温度が下がっていくにしたがって、グーンと上がっていった強度の放物線も緩やかに描いていきます。
発熱時間の条件があるから、例えば群馬の生コンが安いって言っても横浜には運べません。
プラントで作ったものが現場に納められる迄の時間が決められています。品質の確保のためです。
だから、水なんかを入れたらダメ。配合比が崩れることは勿論、発熱の邪魔をするからです。
時折街中で見るミキサー車は、ゆーっくり回してますでしょ?これ現場に行く途中大事に運んでいます。
帰りは余ったものは捨てていけませんから、ジャンジャン回して攪拌。
例えゆっくり回して帰ってきても時間が経過しているので、生コンとしては処分するしかないのです。
継ぎ足しなんてもってのほかで、それこそ分離が始まっているようなジャバジャバな残りに新しいモノ(生コン)入れたって薄まるだけの話。
当然納入伝票には、指定した品質のコンクリートが明示されている訳ですから、それ未満な事は確定な訳です。
今回どうしてこのような事が起きたのか?何故気付かずにいたのか?何故今回露見したのかは事件の詳報を待つしかありませんが、大切な事は現場において品質管理がどのように行われていたのかという事。
一般の木造住宅では基礎の部分になりますが、基礎の強度を他社に真似て?殊更性能を謳っても、その辺りを建材屋任せにしたり、コンクリート打設時に監理者が立ち会わなかったりでは意味がありません。
薄まった生コンは“色が違う”訳で、全棟サンプリングを採取しなくとも立ち合いぐらいはしないとこんな事が起こるかもしれません。
所謂4号建築(一般の木造2階建てまでの専用住宅)では義務付けされていませんが、木造3階建の基礎や鉄骨造、また地下車庫なんかは供試体の確認は絶対必要です。
昔なんか放りっぱなしの現場だったりすると、基礎打設時に仮設水道からホースが伸びていて…なんて、笑えない話もあり、そこはやはり監理者が目を光らせている現場とちーとも来ない現場とでは自ずと違うでしょうね。あえて名前は言いませんが…。
じゃあ、建物の構造部分以外の話とすると、一般的にはガレージなどのコンクリートでしょうか?
建物に比べたら重要度は低いとみる方もいるでしょうが、問題なのは品質の話。これを守るために法律がある訳で、言ってしまえばガレージだの犬走り・テラスならいいとかはありません。
強度上は構造部より低くて構いませんが、だからと言って水を混ぜたりしていいわけもなく。。。
ガレージの話をもう少しすると、ケチってコンクリート圧を薄くしたり、砕石少なかったり、またそれ以前に取った土の後を転圧しなかったりしていると、いくらも経たずにコンクリートに大きな割れがでたり、コンクリートなのに綺麗な轍ができたりします。
折角一生懸命作った家ですから長持ちしてほしいいし、それには品質を保持する事、それを為すには管理体制をしっかりする事、尚念を押すのなら、品質の担保となるデータを取る事です。
法律上の義務付けなんかなくとも、要望すればサンプルを取ること自体は難しい事じゃないので頼んでみたらどうですかね?
それもある意味、注意喚起だけでなく、自分たちの財産を守る事にもなり得ます。過剰でなければ構わないと思いますけどね。
ではまた次回。